「日本の終末医療」のこと
日本の終末医療は諸外国に比べて遅れを取っているのが事実です。ホスピス施設や緩和ケア病棟などが需要に対して不足している上に、在宅ケアの支援体制の整備も遅れています。それでも、高齢化社会の進む日本では需要は増えることはあっても減ることはありません。今後、ますます必要性の増してくる終末医療について考えるサイトを立ち上げてみました。このサイトへのお問い合わせはメールフォームよりお願いいたします。
病気を治す医療と対極にあるのが終末医療です。終末医療では回復の見込みのない患者さんの肉体的な苦痛や精神的な不安を解消して安らかな最期を迎える日まで緩和ケアでサポートをしていくことが目的です。一般にはなかなか知られることのない、終末医療に関する知識とそれを実現するホスピスや緩和ケアについてご説明をしていきます。日本で不足しているホスピス施設や緩和ケア病棟、在宅ケアの支援環境などについての状況を知ることにより、終末医療の問題点も併せてご説明いたします。
終末医療の起源は1960年代のイギリスです。イギリスの医師ソンダース博士が死を目前とした人の苦痛を和らげ、安らぎを与えるためにはどうすればいいのか、を考えたことが始まりです。博士は終末期を迎えた患者さんの苦痛を和らげる緩和ケアのあり方について5つのポイントも示しています。日本の緩和ケアはまだまだ諸外国の遅れを取っています。緩和ケアの診療対象が限定的ですし、緩和ケア病棟やホスピスの数も少ないからです。さらに自宅で緩和ケアを受ける体制は十分とはいえない状況です。
ホスピスは回復の見込みのない病気に罹った患者さんの終末期をケアする専門の医療機関です。海外では、ホスピス施設も充実していますが、最近では施設から在宅でのケアに重点が移ってきています。日本ではホスピス施設が少ないことと在宅でのケアに対する支援体制が十分でないことから、一般病棟で最期を迎える終末期の患者さんがほとんどです。今後、終末期の患者さんの生活の質や死の質を考えたときにホスピス施設や在宅ケア体制の充実が求められています。
日本における緩和ケアに関しては引き続き社会インフラが整備されてくるはずですが、一般の人の希望としては人生の最期を自宅で迎えたいと考えている人が6割超いることがわかっています。それに対して、実際に自宅で最期を迎えた人は全体の8%程度という調査結果があります。今後、緩和ケアを受ける場所として自宅という選択肢を加えていくためにはどういった課題をクリアする必要があるのでしょうか?解決策のひとつとして、自宅療養支援施設についてもご紹介します。
高齢化社会の進行とともに、回復の見込みのない病気に罹り最期を迎える患者さんが増加してきています。終末期の患者さんに提供される緩和ケアは、まだ限定的なところもありますが、年々増加しているのも事実です。では、緩和ケアを受けるにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか?ホスピスや緩和ケア病棟に入院した時の費用は入院日数に応じて定額制となっていますが、それに係わる費用も別途見込む必要があります。さらに自宅で緩和ケアを受ける場合の費用も紹介していきます。
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緩和ケアチームの看護師はチームの要であると同時に直接患者さんやその家族をケアするキーパーソンでもあります。患者さんと接する時間が最も長く、その肉体的苦痛や精神的不安をいち早くキャッチしてケアするとともに、家族の不安や心労をケアする役割も担っています。
現在の日本では、ほとんどの人が一般の病院で最期を迎えます。ある調査によると6割超の人は自宅で最期を迎えたいと考えていますが、実態は年に8%程度の人しか自宅で最期を迎えることができていません。これは、在宅での終末医療を支援する体制ができていないためです。今後、終末期の患者さんの死の質を高めていくためにも、在宅医療の整備が必要です。