「日本の終末医療」のこと
日本の終末医療は諸外国に比べて遅れを取っているのが事実です。ホスピス施設や緩和ケア病棟などが需要に対して不足している上に、在宅ケアの支援体制の整備も遅れています。それでも、高齢化社会の進む日本では需要は増えることはあっても減ることはありません。今後、ますます必要性の増してくる終末医療について考えるサイトを立ち上げてみました。このサイトへのお問い合わせはメールフォームよりお願いいたします。
治癒が見込まれない病気の対応を終末医療と言い、その終末期の患者の体や心の苦痛を和らげることを目的に行われる総合的なケアのことを緩和ケアと呼んでいることは既にご説明しました。緩和ケアはホスピスや緩和ケア病棟など緩和ケアを専門的に行う医療施設で受けられますし、まだまだ少数ですが、自宅で緩和ケアを受けることも可能です。では緩和ケアを受ける場合にはどれほど費用を見込めばいいのでしょうか?
緩和ケアは通常は緩和ケア病棟やホスピスなどの医療施設に入院して受けることになります。
緩和ケア病棟の入院料は定額制で、1日単位の診療報酬点数が決められています。2014年4月の診療報酬改正により、入院する期間によって入院料が下記のようになっています。
・30日以内の入院の場合:入院料は1日につき、4,926点(49,260円)
・31日以上60日以内の入院の場合:入院料は1日につき、4,412点(44,120円)
・61日以上の入院の場合:入院料は1日につき、3,384点(33,840円)
あらかじめ限度額適用認定証などの所得区分の認定証を交付申請して準備しておいて、医療機関の窓口で提示すれば、会計での医療費の支払額を自己負担限度額までにすることができます。
緩和ケア病棟以外の病床や外来診療として緩和ケアを受けた場合の費用は、その状況によって変わってきます。不安な場合は、あらかじめどの程度の費用がかかりそうか、ということを支払窓口や病院の医事担当者に質問してみることをお勧めします。
なお、緩和ケア病棟に入院したときの食事の自己負担額(1食につき一般の方で260円)は通常と変わりませんし、差額ベッド料がかかる場合もありますので、こちらも事前に確認することをお勧めします。その際、緩和ケア病棟の病床の半数以上は、差額ベッド代がかからない病床にするという決まりがありますので、費用負担が心配な場合には、差額ベッド代がかからない病床を利用できないかどうかも合わせて相談してみることをお勧めします。
自宅で緩和ケアを受ける場合は、介護保険の利用の有無、緩和医療の内容、訪問看護・介護等のサービスの利用状況などによって、費用は異なってきますので、詳細は病院の医療ソーシャルワーカーや地域のケアマネジャーに相談してみましょう。自宅で緩和ケアを受ける場合の医療費については、入院時と同様に高額療養費制度を使うことができます。なお、患者さんが70歳以上の方の場合は自己負担限度額は外来扱いの金額が適用されます。
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緩和ケアチームの看護師はチームの要であると同時に直接患者さんやその家族をケアするキーパーソンでもあります。患者さんと接する時間が最も長く、その肉体的苦痛や精神的不安をいち早くキャッチしてケアするとともに、家族の不安や心労をケアする役割も担っています。
現在の日本では、ほとんどの人が一般の病院で最期を迎えます。ある調査によると6割超の人は自宅で最期を迎えたいと考えていますが、実態は年に8%程度の人しか自宅で最期を迎えることができていません。これは、在宅での終末医療を支援する体制ができていないためです。今後、終末期の患者さんの死の質を高めていくためにも、在宅医療の整備が必要です。