「日本の終末医療」のこと
日本の終末医療は諸外国に比べて遅れを取っているのが事実です。ホスピス施設や緩和ケア病棟などが需要に対して不足している上に、在宅ケアの支援体制の整備も遅れています。それでも、高齢化社会の進む日本では需要は増えることはあっても減ることはありません。今後、ますます必要性の増してくる終末医療について考えるサイトを立ち上げてみました。このサイトへのお問い合わせはメールフォームよりお願いいたします。
人生の最期をどこで迎えたいかという調査では6割超の人が自宅でと希望しています。しかし、現実問題としては、病院で亡くなるケースがほとんどで、最近の調査では自宅で最期を迎えた人は8%程度です。もし、自分が人生の最期を住み慣れた自宅で家族に見守られていたいと考えた場合、在宅医療を受けることが可能なのでしょうか?在宅医療とはどのようなものなのか、ご紹介していきます。
高齢化社会が進行する中で、最期はどのような場所で迎えたいかということだけでなく、最期まで自分らしく過ごすためにはどうしたらよいかとと考えたときに、終末医療を住み慣れた自宅で受けるというのが最良の選択肢となります。でも、医療設備も医療スタッフもなく、家族に医療知識もない状況で自宅で満足な終末医療を受けることができるのでしょうか?
患者さんの生活の質を落とさないという観点から最近注目されているこの在宅医療では、ほとんどすべての医療行為ができます。実際に病院でしか行えないのではと思われる人工呼吸器も使えますし、点滴で栄養を取ったり、胃瘻や腸瘻で栄養を取ったり、透析や人工肛門の管理、インスリンの管理もできるのです。もちろん、末期がんの患者の苦痛を緩和するためなどの緩和ケアも行うこともできます。さらに、患者さんの希望で、条件が合えば点滴からの栄養摂取をやめて、自分の口から食べ物を直接取る方法の指導をあおぐことも可能です。点滴からの栄養摂取は味気ないと考える患者さんがほとんどですから、家族の助けを借りながら、病院ではできない食事などが可能になる場合もあるのです。
現在、在宅医療を行うと届け出ている地域のクリニックは全国で約14,000か所と言われています。そのほとんどが内科で、しかも全体数としても足りないのが実情ですが、年々少しずつ増えてきています。
在宅医療を実現するためにはその在宅医療を行うクリニックに訪問診療の申し込みをします。通常月2回、定期的に医師が訪問し診療を行います。クリニックは24時間365日対応してくれて、必ずつながる電話番号があらかじめ伝えられているので、たとえ深夜に容体が急変しても、その番号に電話すれば担当ドクターが自宅へ駆けつけてくれます。そのため、在宅医療のクリニックでは診療可能なエリアをあらかじめ限定しています。また、入院施設を持っている総合病院と連携を組んでいて、入院が必要という判断が下されれば、ただちに入院の措置を取るしくみができています。
ただ、現在の在宅医療の現場では、常勤医1人で対応しているクリニックが7割にもおよび、週7日間、毎日1人で診療を行っているのが現状です。そして、その7割以上が24時間体制について「負担である」と感じているという調査結果もでています。近隣の訪問看護ステーションと連携を取り、常時スムーズに対応できるかどうかが、在宅医療が広まるための今後の課題の一つです。
そんな課題の解決の一つの方法として在宅医療支援があります。その一つ、在宅ホスピス「楓の風」では、療養支援の担当が家族といっしょに在宅医療を支えるお手伝いをしてくれます。
こういう療養支援は訪問診療の隙間を埋めるのに役に立つはずです。
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緩和ケアチームの看護師はチームの要であると同時に直接患者さんやその家族をケアするキーパーソンでもあります。患者さんと接する時間が最も長く、その肉体的苦痛や精神的不安をいち早くキャッチしてケアするとともに、家族の不安や心労をケアする役割も担っています。
現在の日本では、ほとんどの人が一般の病院で最期を迎えます。ある調査によると6割超の人は自宅で最期を迎えたいと考えていますが、実態は年に8%程度の人しか自宅で最期を迎えることができていません。これは、在宅での終末医療を支援する体制ができていないためです。今後、終末期の患者さんの死の質を高めていくためにも、在宅医療の整備が必要です。